「弥縫策(びほうさく)」の指摘
地裁判決で鈴木謙也裁判長が、家庭連合(旧統一教会)の2009年のコンプライアンス宣言を「あくまで場当たり的な補修策」と評したことを問題提起。
判決で認定された支払いデータ比較
– 2009年以前:裁判判決や和解、当事者間解決で支払われた賠償金・解決金の合計額は非常に大きい。
– 2010年以降:同種の支払い総額は、宣言前の95%減。わずかな和解金・賠償金のみが残る。
「弥縫策」との整合性の乏しさ
15年かけて支払い額がほぼ激減した状況は、一過性の“つぎはぎ対策”ではなく、組織的・根本的な取り組みの成果を示しているため、「弥縫策」という評価は論理的に矛盾。
裁判所への提出資料と反論の概要
– 家庭連合は、宣言以降の各地協会での周知・掲示実績、監修研修ビデオ、入会時の遵守誓約書(約3,700件)など、客観的な証拠を追加提出。
– 質問権行使で請求された過去の和解案件一覧提出は、期間的・プライバシー的に不可能との理由で却下され、裁判所も「無理難題」と判断。
「弥縫策」呼称の言葉遊び的側面
「美方策」という漢字語をあえて用いることで、問題の本質(根本的改善か否か)を曖昧化しがち。もっと平易に「根本的対策が不十分」と書けば十分なのに、わざわざ難解語を使う意図を疑問視。
不法行為認定の論拠不足
– 和解を「不法行為の推定根拠」とする裁判所の認定は、和解合意書や請求書のみを根拠にしており、個別の事実認定や証拠調べが不十分。
– 交通事故などの典型例と異なり、家庭連合側は不法行為を争いながら最終的に双方の同意で和解したにもかかわらず、後追いで「全件不法行為」と断定するのは恣意的。
結語:データと客観証拠の重み
95%減という定量的成果や誓約書・研修資料の配布実績を踏まえれば、裁判長の「弥縫策」評価は見当違いといえる。家庭連合側の本格的な取り組みが確実に機能していることを、むしろ示唆している。