信教の自由とはなにか? 旧統一教会問題と基本的人権と憲法の関係【浄土真宗の法話配信】
- (00:00~)
- 番組冒頭で旧統一教会の「解散命令」が話題となり、「解散命令は信教の自由を侵すのでは?」というコメントが多く寄せられたことを紹介。
- そこで、憲法20条の「信教の自由」や政教分離の仕組みについて、九州大谷短期大学で憲法を教え、司法書士でもある藤井明博氏をゲストに招き、議論を深めることになった。
- (01:10~)
- 藤井氏の自己紹介。九州大谷短期大学で憲法を教えながら、新宗教や旧統一教会の問題にも関心を持ち、宗教者としての立場と法学の視点を両面から考えていることを説明。
- 憲法で定められる人権や信教の自由について、実はあまり深く学んだ経験がない人が多いのではないか、という問題提起がなされる。
- (02:15~)
- 信教の自由・人権が歴史的にどう保証されてきたかを、改めて確認する必要があるとの指摘。
- この配信を機に様々な文献を調べ直したことや、「硬い話」になるが憲法上の仕組みを一度整理しておきたいという流れに。
- (03:19~04:26頃)
- 【憲法20条】や【憲法89条】の条文を具体的に示しながら、
- 信教の自由の保障
- 政教分離(国家と特定宗教との結びつきの否定)
- 宗教団体への公金支出の禁止
といったポイントを解説。
- とくに日本国憲法が「国家神道」体制への反省から生まれた経緯にも触れながら、政教分離がいかに重要な理念かを説明。
- (05:36~)
- 歴史的視点:かつての日本はキリスト教禁止などで「信教の自由」がほとんど認められなかった。世界的にもヨーロッパなどで宗教戦争が絶えず、長い歴史の苦難の末に「信教の自由」という概念が近代国家の重要要素として確立されたという流れを紹介。
- 戦前の大日本帝国憲法では「安寧秩序を妨げず、臣民の義務に背かない限り」など条件付きであり、実質的には国家神道体制に組み込まれていた。
- (07:50頃~)
- 改めて「宗教法人法」や「解散命令」を取り上げ、旧統一教会問題の法的な論点を整理。
- 旧統一教会については、刑事事件ではなく民法上の不法行為(霊感商法・過度な献金トラブル等)による社会的被害が大きく、そこが「法令違反」および「公共の福祉を著しく害する」行為と認定されるかどうかが争点になる、と説明。
- (~全体的な議論のまとめ)
- 解散命令が出ても「信仰を禁じるわけではない」点は判例上も示されている。
- 一方で、旧統一教会側の「民事上の不法行為で解散は重いのでは」という主張や、「2009年以降は被害が減った」との反論も紹介。
- ただ、過去の問題を十分に総括しなかった背景や、社会への説明責任を果たさなかった態度などが大きく影響しており、今回の解散命令は「信教の自由の侵害」と単純には言い切れない複雑さがあるとの見解が示される。
- また、宗教一般への差別や弾圧につながらないためにも、社会側は「信者個人の救済や差別防止」を同時に考える必要があると強調し、配信は終了。