目次
1. 問題提起:「カルト」というレッテル
- 象徴的出来事:10/19の「2世の会」シンポ中、背後の横断幕が剥がれ落ちた
→ 話者は「情報の地殻変動で“レッテルが剥がれる”象徴」と解釈。 - 主張:「カルト」は本質規定というより政治・言説上のレッテルとして使われてきた。
2. 左右の成立と「理性崇拝」
- 左右の起源:フランス革命期、議場の左=革命派/右=王党・保守の座席配置から。
- 左翼の自己規定:合理主義・人権を掲げ、ロベスピエールらは「理性の祭典」を実施。
- レッテルの始まり:保守・伝統を「カルト」と呼ぶ構図が形成。
3. 「カルト/セクト」語の系譜(欧米差)
- 中世〜近世(欧州):カトリックが異端・小集団をセクトとして排除。
- 英国国教会も国内のプロテスタント小集団をセクトと差別 → 新大陸移住の一因。
- 米国(近現代):1960〜70年代のヒッピー文化やマンソン事件等を背景に、
反社会性・破壊性を伴う小集団をカルトと呼称。 - 結論:欧州の“セクト”と米国の“カルト”は基準が異なる。日本は両者を混同しがち。
4. ratio=理性=ことば(ロゴス)と三位一体の「型」
- 神学的基盤:ヨハネ1:1「初めにことば(ロゴス)があった」
→ 欧州では言葉=理性=神的次元が強く意識される。 - アウグスティヌスの図式:三位一体(父・子・聖霊)の像が人間の内に反映
- 父=知性/子=理性(ロゴス=ラチオ)/聖霊=愛・意志
- 含意:言語化=理性的で善という価値観が欧州に根付く(日本の「沈黙の美徳」と対照)。
5. 中世スコラから近代へ:教会と科学の緊張
- スコラの統合:アリストテレス哲学を取り込み(トマス・アクィナス)、信仰と理性の調和を試みる。
- 限界と転換:科学的合理性が拡張し、教義との齟齬が拡大 → 近代以降の逆転。
- フランス革命:遅れて到来した急激な断絶が、「理性 vs 伝統」の対立を先鋭化。
6. 現代プロテスタント地図と神学潮流
- 米国の宗教多元化:州ごとに宗派文化が重層化。
- 福音派 vs 自由主義神学:
- 福音派:聖書66巻を神の言葉として受容。
- 自由主義神学:聖書批評・科学合理性との調和を重視 → 福音派は教義希釈として批判。
- 帰結:神学スペクトラムが拡散し、単純な“正統/異端”レッテルは無効化。
7. 日本での「カルト」使用とメディア環境
- 業界の事情:教会間の相違が大きく、「異端」ラベルでの共闘が困難。
→ 代替として外部のターゲット(例:家庭連合)に“カルト”と貼ることで一致形成。 - メディアの時代からSNSへ:
- 一方通行の世論形成(権威・単一情報・多数派同調)がSNSで崩壊。
- 既存「専門家」や報道の矛盾が可視化され、**“情報の地殻変動”**が進行。
8. 旧統一教会(家庭連合)論争への射影
- 主張の核:家庭連合に対する「カルト」は歴史的・地域的に基準が異なる言説上のラベルであり、
その適用は検証が必要。 - 現在地:裁判や公開情報により、従来ナラティブのほころびが露呈しつつある、という見立て。
9. まとめ(論理の骨子)
- 「カルト」は時代・地域で意味がズレるレッテル語。
- 欧州のセクトと米国のカルトは規範が異なる。
- 欧州思想史では言葉=理性=神的という強い価値付けがあり、そこから理性崇拝が政治化。
- 近代以降、科学合理性と教会の緊張が「理性 vs 伝統」対立を固定化。
- 現代は神学的光譜の拡散とSNS時代で、単純なレッテル貼りは説得力を失いつつある。

