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学校で信仰巡る2世虐待
国連特別報告者の警告 日本政府は無視か
この記事の内容を整理すると、次のようにまとめられます。
🕊 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の声明とその背景
1. プレスリリースの概要
2024年10月1日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が、
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する日本政府の対応に懸念を表明する
国連特別報告者4名の共同声明を発表した。
対象となった分野は以下の4つ:
- 信教の自由
- 教育を受ける権利
- 少数派問題
- 平和的集会・結社の自由
この声明は、日本政府が宗教団体を特定して取り締まる政策や教育現場での対応が
国際人権法に反する可能性を指摘したもの。
⚖ デュバル弁護士による見解
2. ガイドライン問題
- 日本政府は2024年1月、「宗教による児童虐待」に関するガイドラインを策定。
- 国連特別報告者は4月、日本政府に質問書を送付。
- 日本政府は6月、「問題はない」と回答。
- その結果、10月のプレスリリースで「現状を続けてはならない」と警告が出された。
デュバル弁護士は、
この声明は単なる意見ではなく防止的な警告としての公式声明であり、
日本の現行政策が国際法違反である可能性を強く示唆していると指摘。
🏫 教育現場での宗教差別の懸念
3. 公立学校での対応
- 政府は旧統一教会2世への支援拡充として、スクールカウンセラーを配置。
- 一部カウンセラーが反教団的な元信者の影響を受けているとされる。
- 教師は「どの児童が教団関係者か」を特定し、カウンセラーに誘導するよう指導。
- その過程で子どもたちが反宗教的な再教育を受ける構造になっていると批判。
→ 国連特別報告者はこの状況を「教育現場での信仰差別」として問題視。
🏛 解散命令と国際法の問題点
4. 東京地裁の決定
- 東京地裁は2024年3月、旧統一教会への解散命令を認める決定を出した。
- 国連側は「公共の福祉」という曖昧な理由で宗教団体を解散するのは国際法違反と明言。
- さらに、日本の裁判で使われた「社会的相当性」概念による敗訴判決も
国際基準から逸脱していると批判。
→ デュバル氏は「高裁も同様の誤りを犯してはならない」と強調。
🕊 信徒たちの声とメディアの偏向
5. 若い信徒たちの活動
- 家庭連合の若者が街頭演説やラリーを通じて、
解散命令の不当性を訴えているが、
日本のメディアは彼らの声を一切報じていないと指摘。 - デュバル氏は「彼らの行動は希望であり、
国際社会に伝えるべきだ」と述べた。
🔥 政治的背景と宗教迫害の構造
6. 安倍元首相暗殺事件との関連
- 山上徹也被告は過去に教団と和解し、返金も受けていた。
- にもかかわらず「恨みを理由に安倍氏を殺害」という動機は矛盾している。
- デュバル氏は「誰かにそそのかされた可能性」を指摘し、
背後に反統一教会勢力や特定の宗教団体・弁護士グループの影響を示唆。
7. 韓国での宗教弾圧
- 韓国で家庭連合など保守的宗教団体への家宅捜索・拘束が発生。
- デュバル氏によるとこれは李在明政権による政治的報復。
尹錫悦前政権を支持した保守系宗教が標的になっている。 - 背後には中国寄りの政治構造があると分析。
- 国連は「宗教が政治的理由で弾圧されるアジアの現状」に警鐘を鳴らしている。
🧭 まとめ
- 国連特別報告者は、日本の「宗教団体解散命令」「教育現場での偏向的取り扱い」が
国際人権法に反すると警告。 - デュバル氏は、国連の声明を国内外に広く伝える必要性を強調。
- 宗教の自由を守る戦いは、日本だけでなくアジア全体の課題となっている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がプレスリリースを発表し、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する解散命令、公立学校での宗教教育について懸念を表明する特別報告者の意見を公表した。このリリースに関して10月23日に補足説明資料を作成したフランスの国際人権弁護士パトリシア・デュバル氏に東京地裁の決定、政府の家庭連合2世信者への対応などの問題点について聞いた。(本田隆文)
――東京地裁が3月に下した旧統一教会の解散命令などに関する国連特別報告者の意見を発表するプレスリリースが10月1日に公開された。
国連の47加盟国が加入している国連人権理事会という組織があり、特別報告者というのは、この理事会の目となり耳となって動く人たちだ。信教の自由、教育を受ける権利、少数派問題、平和的集会と結社の自由の各分野の特別報告者4人が、日本の状況について報告し、宗教、教育の状況についても懸念を表明した。
特別報告者は2024年4月に日本政府に対して、信教の自由に関係する児童虐待にまつわるガイドラインの問題について問いただす通告を出していた。
ガイドラインは特に宗教によって起こる児童虐待についてのものだ。それ自体が大きな問題だ。政府からは6月、問題はない、人権は守られているという回答だった。
プレスリリースはこれを受けたもので、4人の特別報告者による警告の公式声明であり、防止的な意味を持った公式声明でもある。要するに、今、日本がやっていることを続けてはいけないということで出されたもので、非常に重大な意味がある。
――学校での対応を問題視している。
政府は2024年1月の関係閣僚会議で、特に旧統一教会の2世信者に関して、支援の拡充に向けスクールカウンセラーの配置などを決めた。人権教室という、子供向けのクラスがすでにあり、そこで、その旧統一教会問題のことも取り上げられることになった。
カウンセラーは、旧統一教会に対して敵意を抱く元信者によって指導を受ける。教師たちは、どの子供がその2世なのかを特定することを求められ、このカウンセラーのところに連れて行くように指導されている。そこで子供たちは、教団に対する批判的な思いを持つように再教育される。
そこで私たちは、それらすべての資料を添えて報告書を作り、国連の特別報告者に報告した。
さらに、解散命令についても懸念を表明している。東京地裁が解散命令申し立てを容認する決定を下した。高裁も同様の決定を出してはならないということで、この時期にあのような公式声明を出しているわけで、非常に重大な意味を持っている。
単に「公共の福祉」という曖昧な概念によって、宗教団体を解散することが国際法違反だと言っているだけでなく、もう一つ、「社会的相当性」からの逸脱ということを理由に下された過去の家庭連合敗訴判決は、それ自体、国際法違反だということがそこで問題視されている。
これまで日本政府に働き掛けてきたが、国連からもこのような公式発表が出された。このことを伝えていく取り組みをしていかなければ、結局無視されて終わってしまう。
――家庭連合の若い信徒が中心になってよく街頭で演説したり、ラリーをしたりして、解散命令の不当性を訴えている。
メディアが若い信徒たちの声を全く報道しない。彼らが外に出て声を上げるというのはとてもいいことだ。そういった声を届けなければと思っている。
政治的理由で宗教迫害
――安倍晋三元首相暗殺事件の裁判が3年あまりたってようやく始まった。
山上徹也被告は、献金などを巡って教団に対する恨みを持っていたとされるが、すでに和解し、自分の和解書に署名し、献金の半分が返金されている。にもかかわらず、20年もたった今になって、教団への恨みを理由として殺人を行ったというのは全く理解できない。しかもその相手が安倍元首相という全く関係ない人物だったことも理解できない。
誰かにそそのかされてやったとしか思えない。特定はできないけれども、旧統一教会に反対する人たちではないか。そしてまた、彼の弱い心、そういったものが刺激を受け、影響を受けた結果ではないかと思う。
教団に反対する弁護士たちというのが居て、彼らは政治的な理由で旧統一教会に反対している。そのような人たちが、信徒を改宗させるために拉致し、監禁するというプロテスタントの牧師たちと一緒になって反統一教会活動をしてきた。
――韓国で今、家庭連合など宗教団体の家宅捜索が行われ、指導者が拘束、起訴されている。
これは日本の問題とは全く別の問題で、宗教と公共の福祉を巡る問題とも違う。完全に政治的問題。結局これらはすべて、中国寄りとされる現在の李在明大統領から、尹錫悦前大統領を支持した保守的な宗教団体が報復を受けているということだと思っている。
中国などは宗教を否定しているため、国連から非常に警戒されている。旧統一教会の場合、もともと共産主義に反対していたわけで、宗教が政治的理由で迫害されている、特にアジアで迫害されている状況に今、世界が危機感を抱いている。

