4 パネルディスカッション【信教の自由を守る静岡県民の会】

4 パネルディスカッション要旨

テーマ軸:①被害者は誰か ②消された声は何か ③社会全体へどう関わるか

目次

①「被害・加害」の再整理

混在した論点をほどく視点

  • 家庭連合を巡る論点(献金、物販、拉致監禁、報道、政治・イデオロギー等)が一色単で「加害者」とされているため、事実関係を項目ごとに分けて検討すべき。
  • 献金をめぐる一般の誤解(「信者ではない一般から金を集め韓国に送金」など)と、実際の献金の主体・流れの理解に乖離がある。
  • 「被害/加害」は絶対化しにくい概念。誰の、どの出来事が対象かを特定しないまま議論が進んでいる。
  • 月刊誌インタビュー等で教団側の説明を可視化し、出来事ベースで一次情報から整理する作業が不足している。

②「本当の被害者」とは

体験者と宗教者の視点

  • 拉致監禁を受けた当事者の一人は「自分は被害者意識はない」と述べつつ、信仰を奪われた元信者こそ被害者だと位置づけ。
  • 4300人規模とされる拉致監禁には個別の文脈(家族関係、反対牧師の手法、本人の信仰歴)があり、単一モデルで理解しにくい。
  • 仏教者の視点:無明(分からなさ)と執着が苦しみを生み、偏見・スティグマを強化する。「加害/被害」の二元論に囚われやすい大衆も広義の“救済対象”。

③「消されてきた声」

顔と生活が映らない報道構図

  • 報道は「看板・外観・玄関先」の絵に偏重し、信者個々人の顔・生き方・喜びや悲しみ、ボランティア等の実像が伝わっていない。
  • 拉致監禁の証言はデリケートさもあり、教会内でも長く可視化が遅れた面がある。今は可視化のフェーズだという当事者認識。

④ 社会への伝え方(実務提案)

“普通”を見せる、暗闇に光を当てる

  • 無明(得体の知れなさ)を減らすには、日常の姿に光を当てる発信が有効(地域活動の様子、準備風景、施設のオープン見学等)。
  • SNS時代の強みを生かし、若手だけでなく「おばちゃん/おじいちゃん」世代の等身大の発信も効果的。
  • 広報は「①一次情報の整理」「②生活の可視化」「③難題の制度論整理」を並走させる。

⑤ 少数派の自由を守る意義

“公共の福祉”と多数派常識の限界

  • 多数派の常識・道徳が絶対化すると、少数派の信仰と生き方が抑圧される危険。
  • 宗教者(特に利害の少ない立場)は、平時から「常識は絶対ではない」ことを社会に説き、非常時には先頭で声を上げる役割を担うべき。

⑥ クロージング・メッセージ

“普通”を丁寧に届けることが最初の一歩

  • 「私たちは普通の人々」という事実ほど伝えにくい。だが日常の実像を継続的に見せることで、誤解は解けうる。
  • 家庭連合の問題を超え、情報の明るみ(可視化)と、厳密な事実整理が日本社会全体の健全性回復につながる。
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