家庭連合解散命令抗告審 抗告人最終主張書面【小笠原家庭教会】

🔷 3行要約

  1. 家庭連合側は抗告審で「最終主張書面」を提出し、二世信徒・韓国人夫人らの証言や、国連人権機関のプレスリリースを挙げて、解散命令は信者の権利と国際人権法を侵害すると強く訴えている。
  2. 書面では、共産主義勢力や左派メディアによる長年の攻撃、山上事件ナラティブの歪曲、そして家庭連合の反共・ワシントン・タイムズなどの活動が標的にされている構図を指摘する。
  3. 法律面では、実定法違反のない宗教法人を解散させることは罪刑法定主義・予測可能性・信教の自由を踏みにじる「国家の生贄」であり、信者・職員数万人の生活と心の拠り所を奪う決定は許されないと主張している。

目次

🔷 階層的要約

Ⅰ. 動画のテーマと概要

  1. テーマ
    • 「家庭連合解散命令抗告審・抗告人最終主張書面」の内容紹介と解説。
    • 11月21日に家庭連合(抗告人)側が東京高裁に提出した最終主張書面を、弁護士から入手した内容に基づいて説明。
  2. 前提
    • 書面自体は個人名などが多数含まれるため公開はできないが、内容の紹介は許可されているという立場。
    • 全体で200ページ超に及ぶと見られる分量を、ポイントを絞って解説。

Ⅱ. 証人として出た二世信徒・韓国人夫人の証言

1. 二世信徒の証言(最終主張書面①)

  1. 二世たちの経験と信仰の形成
    • 親の信仰の姿を見て、
      • なぜここまで真剣に信仰するのか疑問を持つ。
      • 自ら原理を学び直し、「そういう意味だったのか」と納得して信仰を自分のものとして受け継いだ、というストーリー。
    • 中高時代には教会行事に積極的ではなかったが、後に自覚的に信仰を選び取ったケースも紹介。
  2. 喪失と継承の証し
    • 9歳の誕生日の2日後に母が亡くなった二世の証言など、
      • 親を早くに亡くしても、親が信じたものを自らも引き継ごうとする心情。
    • 東京地裁決定は、こうした二世の声や内面をほぼ考慮していないと批判。
  3. 訴えのポイント
    • 「宗教二世=被害者」という一面的な語りでは捉えきれない多様な実相がある。
    • 解散命令が出れば、彼らの心にどれほどの痛みと喪失を与えるか、まったく考慮されていないと主張。

2. 韓国人夫人たちの証言

  1. 動機と使命感
    • 文鮮明総裁・韓鶴子総裁の「日本を愛しなさい」という教えに応じ、
      • 「本当は日本が嫌いだった」「加害の国だと思っていた」が、
      • それでも日本を愛し、日韓の架け橋になろうと、日本に嫁いできた、という証言。
  2. 日本社会への貢献と教会コミュニティの役割
    • 地域社会で:
      • ごみの分別の徹底
      • PTA役員
      • 夫の親の介護 など、生活レベルで日本社会に尽くしてきた。
    • 孤独や寂しさ、言葉・文化の壁を支えたのが「教会コミュニティ」であり、それが心の拠り所だったと語られる。
  3. 訴えの言葉
    • 「どうして私たちが日本社会からここまでひどい中傷を受けなければならないのか」
    • 「日本のために人生を捧げてきたのに、一番大切な教会コミュニティを奪われるのか」という「心の叫び」。
    • こうした韓国人夫人18人分の証言文が書面に収められている。

Ⅲ. 国連人権高等弁務官事務所の警告と国際法論点

  1. 国連OHCHRのプレスリリース(10月1日)
    • 国連人権高等弁務官事務所・専門家名で、日本政府に対し:
      • 東京地裁の3月25日決定は国際人権法に違反する可能性が高い。
      • 抗告審でさらなる国際法違反を防止すべき、と警告。
    • 通常は年次報告の形だが、今回は「緊急プレスリリース」である点を強調。
  2. 最終主張書面での位置づけ
    • 「現決定の国際法違反の重大性と事態の緊急性に鑑みて、このタイミングで発出した」との趣旨。
    • 東京高裁は、国内問題で済まない国際的な人権問題になりうることを重く受け止めるべきだと主張。

Ⅳ. 共産主義勢力・左派メディアからの攻撃という構図

  1. 家庭連合と反共活動の歴史
    • スパイ防止法制定の国民運動など、反共活動を長年行ってきた。
    • 1982年創刊の『ワシントン・タイムズ』:
      • 米共和党・レーガン政権期に評価され、
      • トランプ政権のペンス副大統領、ポンペオ国務長官らも関連会議に参加。
      • トランプ本人もビデオメッセージでワシントン・タイムズを称賛したと紹介。
  2. 中国共産党との関係の指摘
    • こうした反共的報道や活動は、中国共産党にとっては「邪魔なメディア」。
    • 中国の「反邪教ネット」等が日本の解散決定を「素晴らしい」「他国も倣うべき」と絶賛した事実を挙げ、
      • 解散命令の動きは中国政府にとって理想的な展開、
      • 国内の全国弁連・左派勢力・親中メディアと連動している、とする見解を紹介。
  3. 国内左派勢力の役割
    • 共産党や左派系メディア(毎日新聞、TBS、朝日新聞・テレビ朝日など)、
    • 全国弁連などが一体となって家庭連合を標的にしてきたと整理。

Ⅴ. 山上事件とメディア・左翼ナラティブの批判

  1. 山上事件の位置づけ
    • 最終主張書面提出(11/21)は、山上裁判の公判開始(11/12)直後。
    • 山上被告の家庭背景や母親の信仰(家庭連合信者)などは認めつつも、
      • それと安倍元首相暗殺を結びつけたのは左翼勢力・メディアだと主張。
  2. 「家庭連合問題」にすり替える傾向
    • 全国弁連や一部メディアは今も、
      • 安倍暗殺の本質的問題よりも、
      • 家庭連合の献金問題などに焦点をずらし、事件全体を「教団問題」として処理しようとしていると批判。
  3. 世論の変化
    • 海外メディア(エコノミスト誌)、日本の国際政治アナリスト(細谷雄一氏?)や西田亮介氏、伊達学氏らの論考を引用し、
      • 「解散命令・教団バッシング」に対して批判的な視点や懸念が国内外で出てきていることを示す。

Ⅵ. 法律論:罪刑法定主義・構成要件の明確性・信教の自由

  1. 罪刑法定主義・実定法違反の必要性
    • 解散命令は本来、宗教法人が「実定法の明確な違反」をした場合に限定されるべき。
    • 今回は、不法行為(民法上)や「被害感情」を広く解釈し、実定法の具体的違反なしに宗教法人を解散しようとしていると批判。
  2. 構成要件の明確性・予測可能性の欠如
    • どこまでやれば解散なのか、事前に分からない状態は、
      • 構成要件の明確性を欠き、
      • 法的安定性や予測可能性を害する。
    • その結果、信教の自由を著しく侵害していると主張。
  3. 東京高裁が文科省に求めたことと、その不履行
    • 高裁は文科省に対し:
      • 「コンプライアンス宣言以降にどのような不法行為が続いているのか、証拠裁判主義に基づき具体的証拠を示せ」と要求。
    • しかし、文科省側は十分に応じられなかったとし、この点を再度強調。

Ⅶ. 信者・職員が被る被害と「国家の生贄」論

  1. 解散がもたらす具体的被害
    • 法人格喪失により:
      • 11年間蓄積した法人財産は全て没収。
      • 約10万人の信者が「信仰共同体の基盤」を失う。
    • 約2,000人の職員+家族含め4,000人以上が、破産でもないのに職と生活基盤を奪われる。
      • オウム真理教や別の宗教と違い、法人破産ではなく、裁判所の一方的決定である点が異常だと指摘。
  2. 信者の利益を「反射的利益」と切り捨てた東京地裁批判
    • 地裁決定は信者の利益を「反射的利益」に過ぎないと扱い、ほぼ考慮しなかった。
    • 動画主はこれを「信者の人格権・信仰の自由を踏みにじるもの」と強く批判。
  3. 「国家の生贄」としての家庭連合(福本弁護士の論旨紹介)
    • 宗教:
      • 生老病死の不安を和らげる「究極の内心の自由」の領域。
    • 家庭連合は刑事事件を起こしておらず、現在とくに重大な違法行為もないのに、
      • 国家が信仰の拠り所を一方的に奪うのは、「罪なき人々を国家が捧げさせる生贄」に等しい。
    • 弁護士は「だからこそ、家庭連合解散にしつこくNOと言い続ける」と結んでいる。

Ⅷ. 補償・返金対応と「解散の必要性はない」という主張

  1. 従来の返金基準とその見直し
    • 以前は:
      • 消滅時効経過分には応じない。
      • 物品購入代金は対象外。
      • 記録上認められた献金への返金率も50〜90%程度。
    • しかし現在は:
      • 消滅時効が過ぎたものも含め返金に応じる。
      • 物品購入分も、記録があれば100%返金対象。
    • ただし、法律超えの運用になるため、教団の恣意ではなく「保障委員会」を設置し、そこで判断する仕組みにした。
  2. 現時点での「補償能力」
    • 集団調停等での案件にも対応しており、
      • 「今なお被害が潜在している」という地裁の認定は、実態を踏まえていないと主張。
    • 生活保護級の困窮者も含め、柔軟に支援している事例があることをアピール。
  3. 結論
    • 補償体制がここまで整っている以上、
      • 「被害救済のために解散しかない」というロジックは成立しないと反論。

Ⅸ. 結び:弁護団への感謝と高裁への期待

  1. 信者としての感謝
    • 動画主は信者として:
      • 二世・韓国人夫人・一般信者の立場に立って主張してくれた弁護団に深く感謝を述べる。
  2. 高裁への要請・願い
    • 東京高裁が:
      • 国連人権機関の警告、
      • 信者・職員の巨大な不利益、
      • 罪刑法定主義・信教の自由の原則
        を真摯に受け止め、
    • 家庭連合に対する解散命令を出さない、公正な判断を下すことを強く願う、として締めくくられている。

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