3行要約
- 韓国で李在明「大統領」が日本にならって旧統一教会(家庭連合)の解散命令に言及しており、これは尹錫悦前政権・保守政党「国民の力」を叩くためのスケープゴート化だと批判している。
- 統一教会が尹陣営に与えたとされる資金・票の規模は、実際にはごく限定的であり、「政教癒着」や選挙操作のイメージは左派系メディア・勢力が誇張したナラティブだと主張。
- 日本での解散命令と同様、韓国でも統一教会を“悪役”にして全体主義的な政治・検察支配を正当化する流れが進めば、韓国・日本ともに「国家による宗教弾圧」が正当化される危険な局面に入ると警鐘を鳴らしている。
目次
階層的要約
1. 冒頭の問題提起:韓国でも解散命令の動き
- 日付・状況
- 令和7年12月2日夜の配信。
- 「李在明大統領」が旧統一教会(家庭連合)の解散命令が必要かもしれないと発言したとの報道に着目。
- 評価
- 日本の解散命令を「見習う」ような動きであり、「とんでもないことが韓国でも起きそうだ」と危機感を示す。
- 政教分離を掲げながら、一部宗教への政治介入・敵視を正当化する二重基準だと批判。
2. 尹錫悦陣営と統一教会の関係をめぐる実態と誇張
- 左派系メディアの主張
- 統一教会側の幹部(「U歩」?)が尹陣営に鞄で現金を渡した、党員票2万人を動員した、1億4000万ウォンを献金した等の疑惑報道。
- 話者による事実認識
- 党員票は実際には200〜300人規模に過ぎないとされる。
- 1億4000万ウォン ≒ 1400万円程度だが、宗教団体名義でなく約20人に分散して個人献金として出した形で、法律上は問題のないスキームと説明。
- 「20人に分散なら一人あたり約70万円」であり、巨額の買収・支配とみなすのは誇張だとする。
- 結論
- 実態は限定的なのに、「政教癒着」「完全に政治介入する異様な宗教」として過大に描かれている。
- 目的は「国民の力(保守)」を潰すことにあり、そのために統一教会がスケープゴートにされていると見る。
3. 韓国政治の構図:検察ファッショと全体主義的傾向
- 尹政権と検察
- 尹錫悦は元検事総長であり、自分に近い検察を掌握し、政敵を次々と立件・有罪化してきた構図があると指摘。
- 李在明側の動き
- その流れの中で、李在明陣営・左派勢力は統一教会問題を利用し、保守陣営をさらに弱体化させようとしていると分析。
- 論点
- 宗教団体を政争の道具として利用し、国家権力+検察を動員するやり方は「全体主義の表れ」だと強い危機感。
4. 日本側の文脈との比較:LDP支援とその実態
- 日本における統一教会の政治関与
- 長年、自民党を中心に約95%くらい保守政治家を応援してきた。
- ただし90年代以降は、平和大使協議会などを通した集会・イベント参加や機関紙購読など、比較的穏やかな政治関与が中心で、かつての“運動型”とは異なると説明。
- 「乗っ取り」ナラティブへの反論
- 鈴木エイト氏や報道特集などが「自民党乗っ取り」的なイメージで過去の発言・映像を切り出してきたが、現実の影響力は大きく低下していると主張。
- 安倍一人を特別扱いしてきたわけではなく、岸田派など他派にも幅広く支援していたと補足。
5. 創価学会・公明党との比較による「ダブルスタンダード」指摘
- 創価学会・公明党の事例
- 矢野絢也・元公明党委員長の『黒い手帖』に「日本占領計画」的な記述があったと紹介。
- 過去には700〜800万票規模の強力な組織票を持ち、日本の国教化を狙うような指示もあったとされる。
- 論理の一貫性の問題
- もし「政教癒着」「日本乗っ取り」を批判するなら、より大規模で具体的な創価学会・公明党の事例こそ問題視されるべきではないか、と対比。
- 統一教会だけが一方的に叩かれる構図は、明らかなダブルスタンダードだと主張。
6. 統一教会の歴史的役割と、反共・反スパイ活動
- 70〜80年代の活動
- 教科書問題(「侵略」か「進出」か)で左派的歴史観を批判。
- レフチェンコ事件を通じてソ連スパイと日本社会党の関係を暴露。
- スパイ防止法成立寸前まで行くなど、保守的・反共的な運動を展開。
- その反動としての弁護士グループの攻撃
- 全国弁連、山口広弁護士らが「霊感弁連」を立ち上げ、「悪徳商法」の一点突破で統一教会潰しに舵を切ったと説明。
- 現状
- 90年代以降は勢力約10万人程度とされ、政治的な動員力も低下。
- 現在は新生被害救済委員会などを設け、被害救済に取り組んでいる最中だと述べる。
7. 日本の解散命令と韓国の動きの共通構造
- 日本側
- オウム真理教は殺人など重大な刑事事件を起こしており、解散命令には一定の理由があった。
- しかし旧統一教会は刑事事件を起こしていないにもかかわらず、過去の事案を蒸し返して「国家の生贄」として解散に追い込まれていると解釈。
- 山上事件・山上裁判と家庭連合解散が同じタイミングで進められているのは、政治権力が意図的に結びつけているのではないかと疑う。
- 韓国側
- 献金や党員票の規模は小さいのに、「国民の力=統一教会と癒着」という物語を作り、解散命令まで持っていこうとしている。
- 日本と同様、「スキャンダラスで世界的な宗教」を悪役にして、全体主義的な権力運用を正当化する構図が見えると警告。
8. メディア・アクティビストの役割と鈴木エイト批判
- 日本メディアと野党の動き
- 立憲民主党・小西議員らの追及と、オールドメディアの連日報道で、岸田首相は自分の政権が倒れる錯覚に陥り解散請求に踏み切ったと分析。
- 鈴木エイト氏への評価
- もともと教団幹部や献金問題を狙っていたはずが、いつの間にか安倍個人に矛先を飛躍させたと指摘。
- 池田信夫氏らが「鈴木がかなりやばい」と言い始めている状況にも言及。
- 全体像
- 「真実の闇」を隠したい勢力が、統一教会をスケープゴートにし、面白半分の“見世物”として世論操作していると見る。
9. 結語:日本と韓国に共通する「国家と宗教」の危険な接点
- 韓国では
- 統一教会への献金問題・少数の党員票を過大解釈し、保守政党を叩くための材料にしている。
- 解散命令論は、全体主義的傾向の表れであり、宗教弾圧の入口になりかねない。
- 日本では
- 刑事事件を起こしていない宗教団体を、世論と政治の都合で解散に追い込む先例を作ってしまった。
- 共通する危機
- 「国家権力+検察+メディア」が特定宗教をスケープゴートにし、法の原則よりナラティブを優先する。
- その流れが、韓国でも日本でも進行すれば、信教の自由と法治国家の根幹が揺らぐ。

