公平・公正な裁判を求める有識者の会、一般社団法人 信者の人権を守る二世の会

/https://www.fair-trial.jp/press-conference-20260326/

登壇者:

 中山達樹

 小川榮太郎(文藝評論家)

 徳永信一(弁護士)

 仲正昌樹(金沢大学教授)

 福田ますみ(ノンフィクション作家)

 加藤文宏(著述家)

 二世信者 数名

目次

共同記者会見の声明文 「公正・公平な裁判を求める有識者の会」緊急声明

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「公正・公平な裁判を求める有識者の会」緊急声明

3月4日、東京高等裁判所(三木素子裁判長)において宗教法人世界平和統一家庭連合に対する解散命令が下され、ただちに清算が始まりました。

解散命令は、単なる法執行である以上に、宗教教団の社会的信用に対する根底的な否定です。約十万人の信徒の方々の人生は、アイデンティティの最も核心的な信仰において、その尊厳を否定される事になります。

また、解散命令によって、教団の職員1933名とその扶養家族2441名、合計4374名が生計の手段を奪われます。

教団施設を始め、全財産が差し押さえられましたが、これらの内実は信者による献金、寄付です。信者一人一人の献金や土地建物の寄付は、憲法の保障する財産権に該当します。その強制的な押収には、教団及び信徒の極めて重大な犯罪行為が根拠とされねばならないのではないでしょうか。

今回同様、著しい反社会性を理由とした宗教法人への解散命令としては、オウム真理教に対するものが挙げられます。一連のオウム真理教事件では実に29名が死亡し(殺人28名、逮捕監禁致死1名)、負傷者は6000名に及びます。教団内でも5名が殺害され、死者・行方不明者は30名を超えています。その結果、教祖麻原彰晃以下13名が死刑、5名の無期懲役判決が確定しています。

それとは到底比較すべくもなく、家庭連合はそもそも刑事事件を起こしてさえいません。

そして、地裁、高裁ともに、解散命令という社会的な死刑に該当する苛烈な判断に相応する犯罪行為を、全く認定できていません。

我々は、昨年3月25日、地裁決定が出た折にも、それがいかに不当であるかについて声明を発出しています。声明では、その決定が以下の諸点において、法の公正を著しく毀損している事を指摘しました。

① 献金開始が平均32年前という過去の民事裁判を解散の根拠としている事。

② 違法な献金は直近11年間ゼロなのに、証拠に基づかない想定を根拠に被害の継続性を認めている事(証拠裁判主義違反)。

③ 政府提出の証拠文書に改竄ねつ造の事実があるのに、これを黙認した事。

さらに根本的な問題として、宗教法人に対する政府の解散請求は非訟事件とされ、非公開だという点が挙げられます。教団への社会的な死を宣告する法の執行が完全非公開である事に、我々は強い危惧の念を抱きます。独裁国家の秘密裁判と何ら変わらないものと言わざるを得ないからです。

ところが、東京高裁の解散決定の根拠とする解散理由は、更に非合理なものでした。

第一に、高裁決定は全体的な論旨として、家庭連合の教義に踏み込んで主観的な判断を重ね、その上で教義を有力な解散理由の一つとしています。そのように国家が宗教的な教義の良し悪しを判断する事は、政教分離の原則に反し、近代国家において許されることではありません。

第二に、地裁が2009年の教団によるコンプライアンス宣言前の遠い過去の民事訴訟を根拠に解散命令を下したのに対して、高裁は、解散命令の主たる根拠をコンプライアンス宣言後の「不法行為」に置いています。

ところが、高裁によれば、「不法行為として成立したもの」は4名、損害額1868万1600円にすぎず、「不法行為の成立可能性が否定できない」とされたものが138名、9億1545万6469円と、金額にして全体の95.6%を占めています。

「成立可能性が否定できない」とは何事でしょうか。何らの具体的な証拠も示さずに「成立可能性が否定できない」などと言い始めれば、可能性の否定できない事など世に殆どなくなります。要するに、高裁は、不法行為の成立が証明できぬ事案を根拠に解散命令を決定したのです。

両裁判所の決定は、「はじめに解散ありき」という至上命令の上に無理を重ねたものです。もしその延長上に来る最高裁決定がなされた場合、それは法治国家、自由社会の根幹を打ち砕く致命的なトリガーとなりかねない事を、我々は強く危惧します。

多くの方々には、この言い方は大袈裟に響くでしょう。だからこそ我々は訴えたいのです。

最高裁は、決定の前に、今一歩、踏みとどまってほしい。

なぜなら、国民の殆どは、本件の事実関係も、地裁、高裁の決定根拠の非合理も、全く知らないからです。

今回の解散命令で問われるべきは、家庭連合が良い宗教か、悪い宗教かではありません。家庭連合が宗教法人法の定める解散命令の基準である「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」か否かです。

二度に渡る司法判断は、教団の「違法性」を全く立証できていない。

問題の核心は、違法性が立証できていないのに、社会的な死を宣告する――そんな事が許されていいのかという一点にあります。

これは一宗教法人たる家庭連合に留まる事案では決してない。もし最高裁でこれが判例となったなら、今後、誰がいつ同じ目に合うかの歯止めが効かなくなります。

それほど最高裁の判例は重い。

最後に何よりもその重大性を確認し、我々の声明と致します。

起動モード:San

この声明は、家庭連合への解散命令を「法執行」ではなく、信者の尊厳・生活・財産を根底から否定する重大な人権侵害だと位置づけている。
中心論点は、刑事事件がないのに、証明されていない不法行為や過去の民事事案を根拠に、宗教法人に“社会的死”を与えている点への強い批判である。
結論として、最高裁がこの流れを追認すれば、家庭連合だけでなく、法治国家と自由社会全体の土台を壊す危険な判例になると警告している。

1. この声明の核心

  • 解散命令は、単なる行政処分ではない
  • 宗教教団の社会的信用を全面的に否定し、信者の信仰上の尊厳を傷つける「社会的死刑」に等しい処分だと主張している
  • したがって、その前提には極めて重大で明白な違法行為の立証が必要だという立場を取っている

2. 解散命令による具体的被害

2-1. 信者への打撃

  • 約10万人の信徒が、信仰という人生の核心部分において否定される
  • これは単なる団体処分ではなく、個々の信者の人格的尊厳に直結する問題だと訴えている

2-2. 職員と家族への生活被害

  • 教団職員1933名
  • 扶養家族2441名
  • 合計4374名が生計手段を失うと指摘している

2-3. 財産権侵害の問題

  • 教団財産の多くは信者の献金や寄付によって形成されたもの
  • それらは信者個人の財産権とも深く関わるため、強制的な差し押さえには重大犯罪に相当する根拠が必要ではないかと問題提起している

3. オウム真理教との比較

3-1. 比較対象としてのオウム

  • 過去の著しい反社会性を理由とする宗教法人解散命令の代表例として、オウム真理教を挙げている
  • オウムでは多数の死者・負傷者が出て、教団幹部にも死刑・無期懲役などの重い刑事責任が確定している

3-2. 家庭連合との違い

  • 家庭連合は刑事事件を起こしていない
  • それにもかかわらず同じ「解散命令」という最も重い処分が下されるのは、比較衡量として著しく不合理だと主張している

4. 地裁・高裁決定への主な批判

4-1. 犯罪行為の認定がない

  • 地裁も高裁も、解散命令に見合う重大な犯罪行為を認定できていないと断定している
  • にもかかわらず最も重い結論だけが先にあると批判している

4-2. 昨年の声明で指摘した3点

① 古い民事裁判を根拠にしている

  • 献金開始が平均32年前という遠い過去の民事事案を、現在の解散根拠に使っている点を問題視

② 被害継続性の認定が証拠に基づいていない

  • 直近11年間、違法な献金はゼロなのに、将来や継続の可能性を推測で認めたと批判
  • これは証拠裁判主義に反するとしている

③ 政府提出証拠の改ざん・捏造疑惑

  • 政府側証拠に改ざん・捏造があるのに、裁判所が黙認したと主張している

5. 非公開手続きへの批判

5-1. 非訟事件としての処理

  • 政府の解散請求が非訟事件として扱われ、手続きが非公開で進むことを重大問題としている

5-2. なぜ問題なのか

  • 教団に対する「社会的死」の宣告という重大処分が、国民の監視や公開審理なしで行われる
  • そのため、秘密裁判に近い危険性があると強い言葉で批判している

6. 高裁決定への追加批判

6-1. 教義への踏み込み

  • 高裁が家庭連合の教義内容に踏み込み、主観的判断を積み重ねたうえで、それ自体を解散理由の1つにしていると批判
  • 国家が宗教教義の良し悪しを判断すること自体、政教分離原則に反すると論じている

6-2. コンプライアンス宣言後の不法行為認定の問題

  • 高裁は、主な根拠を2009年コンプライアンス宣言後の不法行為に置いたとされる
  • しかしその内訳を見ると、実際に「不法行為として成立した」とされたのは4名・約1868万円だけ
  • 一方で、「成立可能性が否定できない」とされたものが138名・約9億1545万円で、金額ベースでは95.6%を占めると指摘している

6-3. 「成立可能性が否定できない」への批判

  • この表現は、証明ではなく推測に近い
  • 具体的証拠なしに「可能性が否定できない」で処分を認めれば、ほとんど何でも認定可能になってしまう
  • つまり、高裁は証明できていない事案を主たる根拠に解散命令を出したと批判している

7. この判断の本質認識

7-1. 「はじめに解散ありき」

  • 両裁判所の判断は、法と証拠から結論を導いたのではなく、最初から解散ありきで理屈を積み上げたものだと見ている

7-2. 問題は宗教の善悪ではない

  • 家庭連合が良い宗教か悪い宗教かは本質ではない
  • 宗教法人法の解散要件である
    • 法令違反
    • 著しく公共の福祉を害する明白な行為
      これが立証されたかどうかだけが問われるべきだとしている

7-3. 核心の一文

  • 違法性が立証できていないのに、社会的死を宣告してよいのか
  • 声明全体の核心はこの一点に集約されている

8. 最高裁への警告

8-1. 国民は事実を知らない

  • 多くの国民は、事実関係も、地裁・高裁判断の非合理さも知らないままこの問題を見ていると主張
  • だからこそ、最高裁には世論ではなく法に立ち返ってほしいと訴える

8-2. 判例化の危険

  • もし最高裁がこの流れを追認し、判例として確定させれば、今後どの宗教法人・団体にも同様のことが起こりうる
  • 家庭連合だけの問題ではなく、自由社会全体の歯止めを失わせる危険があると警告している

9. 結論

  • この声明は、今回の解散命令を「証明なきまま下された過酷な社会的死刑」と捉えている
  • 批判の柱は
    • 刑事事件がないこと
    • 証拠ではなく推測に依拠していること
    • 教義判断に国家が踏み込んでいること
    • 非公開手続きで進んでいること
  • 最後は、最高裁がこの判断を食い止める最後の防波堤であるとして、踏みとどまるよう強く求めて締めくくっている
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