意見書の提出背景
- 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、東京地裁の解散命令決定を不服として、6月20日付で東京高裁に主張書面を3通提出。政治学者・仲正昌樹教授(金沢大学)と憲法学者・小林節名誉教授(慶應義塾大学)の意見書を根拠とする。
仲正昌樹・金沢大学教授の主張
- 解散命令申し立ての「客観的基準」が示されていない
- なぜ旧統一教会だけがターゲットになるのか説明がなく、同様の不法行為や資料捏造(文科省文書偽造)を無視している
- 解散請求が政治的判断によるものではないかとの疑念を呈示
小林節・慶應義塾大学名誉教授の主張
- 新教(新興宗教)の自由は高度な人権であり、その制約には厳格な審査基準が必要
- 宗教法人法81条の解散要件を狭く解釈すべきところへ、民法上の不法行為まで適用した点を批判
- 憲法32条(裁判の公開審理)および82条(公開主義)に照らし、非公開裁判手続きは憲法違反
解散命令問題の本質
- 単なる「悪い宗教の排除」ではなく、手続きの適正さと法のルール、憲法上の宗教自由・裁判公開原則が問われている
- 手続きが曖昧・恣意的であれば、将来どの宗教団体にも同様の危機が及ぶおそれがある
今後の見通し
- 予備的に非公開手続きの適法性を争いつつ、万一高裁で手続きの公開を認めてもらえない場合は全面的に無効を主張する方針
- 高裁の判断が、日本における信教の自由と裁判公開の行方を決定づける重大な節目となる見込み。