https://www.youtube.com/watch?v=CqPLowlQTyk
目次
3行要約
- 李相哲氏と島田洋一氏(福井県立大学名誉教授・元衆議院議員)が、訪米で得た情報をもとに、米中首脳会談でトランプ大統領が習近平主席にイランへの軍事・金融支援をやめ、原油も買わないよう釘を刺したことなど、イラン・ウクライナ・台湾をめぐる米中の駆け引きを分析した。
- 台湾については、米政府の報告書が軍幹部の粛清や2028年の台湾総統選を理由に「2027年の侵攻は可能性が低い」と見ていると紹介した。米国は武器供与を着実に進めており、トランプ氏が台湾を中国に渡すことはありえないとの見方で一致した。
- 高市首相が国連で「旧敵国条項」の削除を求め中国が猛反発したことや、APECでの日中関係、イラン・ウクライナ問題、北朝鮮の実態、米韓関係のきしみ(戦時作戦統制権・対米投資・ウクライナとの捕虜問題)についても議論した。
詳細要約
1. 島田洋一氏の訪米報告
- 拉致被害者家族会・救う会・拉致議連の合同訪米団に、救う会の西岡力会長らと参加。国務省、NSC、財務省、トランプ氏に近い米国第一政策研究所(AFPI)、上下院議員らと面会した
- 政府中枢は「年内の米朝首脳会談はない」との見方。ウクライナ戦争が続き、ロシアから支援を受ける北朝鮮の立場が強いため
- 北朝鮮経済の見方
- 米国の民間専門家は「ロシアへの派兵の見返りで北朝鮮経済が良くなっている」と口をそろえる
- 李相哲氏の『正論』論文や西岡氏は、電力事情が悪化しており経済発展はありえず、ロシアからの見返りは主に軍事技術だと指摘
- 早く国交正常化したい専門家ほど「北朝鮮の立場が強い」と言いたがる傾向がある
- ルビオ氏は国務長官と国家安全保障担当補佐官を兼任しているが、宥和派の多い国務省よりホワイトハウス側に軸足を置いている
- 米韓関係のきしみ
- トランプ氏は高市首相を信頼する一方、李在明大統領は基本的に左翼として信用していない
- 李大統領が国連で北朝鮮の核の「凍結→縮小→廃棄」を提案したが、検証なき凍結は危うい
- 戦時作戦統制権の返還に米国は難色。李氏は、返還されれば国連軍司令部の解体につながり、核などの戦略資産を持たない韓国が米軍を指揮することもできないと指摘
- 米保守派は在韓米軍を対中シフトで使うべきと考えるが、李政権は中国を刺激したくない
2. イラン戦争と米中の取引
- 米国はネタニヤフ首相に引きずられて本格開戦したが、イランによるホルムズ海峡封鎖への備えが不十分だった
- トランプ氏は合意しても守らないイランに見切りをつけ、イランの港を出入りする船を止める「逆封鎖」と、海峡を通る船の護衛で革命防衛隊を締め上げようとしている
- イランでは物価が半年で約150%上昇、海峡の通航量は戦前の約6〜7割まで回復したが、超大型タンカーはまだ通れない
- 中間選挙(11月)までは地上軍投入は難しいが、オプションとしては検討されているとみられる
- 米中首脳会談での要求(島田氏が米側・在米日本大使館筋から得た情報)
- イランへの軍事支援は一切するな(偵察衛星で米海軍の位置情報をイランに流していたのは間違いないとされる)
- 金融支援をするな。中国の銀行がイランの金融を支えてきた
- イラン原油を買うな(中国はイランの原油輸出の約9割を購入してきた)
- 海峡封鎖は中国にも不利益なので、イランやフーシ派の説得に動いてほしい
- 大手中国銀行への二次制裁は米国にも返り血が大きいため、「制裁を検討中」とメディアにリークして取り付け騒ぎを狙う手法も使われている
- 中国の軍事衛星が米軍に撃墜されたという噂については、事実なら大きく報じられるはずで、眉唾だとの見方
3. ウクライナ戦争の行方
- トランプ氏は「24時間で終わらせる」と言っていたが、就任から2年近く経っても終わらない
- プーチン氏は東部4州の完全掌握にこだわり、頑なに停戦に応じない
- ウクライナはロシアの製油所や物流拠点を攻撃し、国民に戦争の痛みを知らせて下から停戦圧力をかける戦略
- 戦争が長引くほど、北朝鮮は実戦でミサイルやドローンを改良できる。頻繁なミサイル発射は挑発ではなく精度向上の実験だと李氏
- 韓国とウクライナの外交摩擦
- クルスクで捕虜になった北朝鮮兵2人が韓国に移送されたことを、ゼレンスキー大統領が国連で公表
- 李在明大統領は非公開の約束を破ったと激怒し、公開謝罪を要求
- 本来は自国民(韓国の規定では北朝鮮住民も韓国民)を保護してくれたウクライナに感謝すべきところ。韓国では秘密裏に北へ送還するつもりだったのではとの疑念も出ている
4. 台湾問題
- 習近平氏は9月30日の国慶節前夜の祝賀会で「祖国統一の大業を推進」「台湾独立勢力に断固たる打撃を」と強い調子で演説
- 米政府報告書:2027年の侵攻は可能性が低い
- 2025年以降に上将9人を粛清し、中央軍事委員会7人のうち5人を粛清。戦争を指揮できる人材がいない
- 2028年の台湾総統選で統一派に資金を流し、「平和統一」を図る可能性がある
- 中国が欲しいのは台湾のハイテク産業。戦争で破壊しては意味がなく、国民党に政権を取らせて事実上取り込むのが賢いやり方
- 米国はF16の供与や台湾軍との合同演習を着実に進めている。トランプ政権の台湾への武器売却額は歴代政権を上回る
- グリーンランドやパナマ、ベネズエラを押さえ、勢力圏を固めるトランプ氏が台湾を中国に渡すことはありえない
- 朝鮮戦争では「守る価値は低い」と見られていた韓国ですら、露骨に侵略されると米国は派兵した
- 米比が主導したバシー海峡防衛の大演習に自衛隊が本格参加し、米軍関係者から高く評価された(韓国軍は不参加)
5. 旧敵国条項と日中関係
- 高市首相の「台湾有事は存立危機事態になりうる」との国会答弁以降、中国は高市氏を孤立させようとしており、外務省報道官が「高市早苗」と呼び捨てにした
- 高市首相が国連で旧敵国条項の削除を求めると、中国は「日本の軍国主義化」を理由に断固反対。常任理事国が1国でも批准しなければ改正できない
- 2015年には削除で合意ができていたのに、中国が態度を変えた
- 島田氏の提言
- 国連と距離を取り、G7・G20・APECなど他の枠組みを重視すべき
- 米国は分担金の支払いを条件に国連予算の7%削減を飲ませた。日本も同様の交渉をすべき
- ボルトン元国連大使は国連総会を「酸素と紙を消費するだけの存在」と評した
- 11月18〜19日に中国・深圳で開かれるAPECでの日中首脳会談の可能性は低い。中国は2027年9月の自民党総裁選で林芳正氏の勝利を望み、岩屋毅氏らを厚遇している
- 中ロの接近は自由主義陣営にとって好ましくなく、離間させる戦略が必要
6. 米朝・米韓関係
- APEC前後のトランプ・金正恩会談は可能性がほぼゼロ。多国間の場では金正恩氏が特別な存在だとアピールできない
- 米側は4回目の首脳会談を開くならハワイが最適と考えている。平壌開催は警備や空港の問題でトランプ氏周辺が反対
- 米下院の米中戦略競争特別委員会の委員長が、韓国の対中経済・技術協力は米国の利益を脅かしかねないと警告
- 「トランプ氏が李在明氏と会うためにパーティーを30分遅らせた」という日本の報道は誤りで、韓国側が押しかけて会談を求めたのが実態。トランプ氏が最も長く会談したのは高市首相(35分)
- 韓国は対米投資の約束を変え続けており、パイプライン投資をめぐっても産業通商資源部長官がトランプ氏の発言を否定するなど、米韓関係にはまた波乱がありそう

