▶ https://www.youtube.com/watch?v=hsqV4rh2usw
目次
■ 3行でわかる
① 2026年に上場企業などが公表した100万件以上の個人情報漏えいは10月5日時点で10件に達し、過去最多だった2023年の年間8件を上回る「過去最悪ペース」となっている。
② KDDI(約1,200万件)、ソースネクスト(最大2,200万件)、焼肉きんぐ(約1,000万件)、タイムズカー(660万アカウント・免許証画像160万件)など、会員向けAPIや委託先・基盤事業者を経由した被害が相次いでいる。
③ 攻撃者がいる「事件」である以上、組織は多要素認証・API監視・委託先点検・不要データの削除を、個人はパスワードの使い回しをやめ不審な連絡に注意するなど、家の鍵や防犯カメラと同じ発想で備えるべきだと訴えている。
動画の概要
情報セキュリティに携わる立場から、2026年に急増している情報漏えい事件の実態を公表データと代表事例で整理し、被害が広がる共通の構造と、組織・個人それぞれが取るべき対策を解説しています。これは「事故」ではなく攻撃者による「事件」だと強調しています。
主なポイント
1. 過去最悪ペースの情報漏えい
- 東京商工リサーチの集計で、2026年に上場企業とその子会社が公表した100万件以上の漏えい・紛失は10月5日時点で10件(2023年は年間8件、2025年は年間6件)
- 2025年は事故180件・漏えい3,063万人分で、人数ベースは前年比93%増
- 帝国データバンクの調査では、漏えいまたはそのおそれを経験した企業は16.2%、直近1年以内は5.5%
- 9月25日〜10月8日の2週間だけで36件の第1報が公表された
2. 主な事例(公表ベース)
- KDDI(ISP向けメール基盤):第三者ソフトウェアの脆弱性により、メールアドレス約1,200万件
- アフラック生命:通常利用と同形式のアクセスによる大量照会で約440万人、うち口座情報約22万人
- タイムズカー:660万アカウント、うち免許証などの本人確認書類画像が160万件
- 焼肉きんぐ:公式アプリの会員管理システムへの不正アクセスで約1,000万件
- ブックオフ:子会社の会員管理システムから642万件
- ソースネクスト:会員情報取得APIの悪用で最大2,200万件
- 第一興商:委託先PCのマルウェア感染で顧客・従業員あわせて約872万件
- H2Oリテイリング(阪急百貨店など):H2O IDが126万件
3. 委託先・基盤経由で広がる「サプライチェーン型」被害
- アルカディア(防災メール):111自治体などに影響、メールアドレス最大約313万件
- IDCフロンティア:ランサムウェアで約500社・自治体がサービス利用不能に
- スカラコミュニケーションズ:大和証券など5社に影響
- ネットワークでサービスがつながっているため、1社への攻撃が多数の組織に波及する
4. 共通する課題
- 会員情報を一括で引き出せるAPIや管理システムが直接の標的に
- 自社ではなく業務委託先や取引先が入口となるサプライチェーンの弱点
- アフラックのように正規利用と同じ形式の大量照会は検知が難しい
- タイムズカーは退会後7年間保有していた免許証画像が被害を拡大させた
5. 組織と個人が取るべき対策
- 組織:多要素認証(ID・パスワードに加えメールやSMSの認証番号など)の徹底
- 組織:API・認証情報の管理と、短時間の大量照会などの異常検知
- 組織:委託先にも委託元と同レベルのセキュリティを求め、安全管理状況を点検
- 組織:退会者データや本人確認書類画像など、不要になった個人情報は削除する
- 個人:パスワードの使い回しをやめ、流出通知を受けたら同じパスワードを使う他サービスも変更
- 個人:不審なメール・電話・SMSに注意する
まとめ・結論
情報漏えいは明確な目的を持った攻撃者による「事件」であり、泥棒対策に鍵をかけ防犯カメラを設置するのと同じように、侵入を防ぎ、試みを検知する仕組みが欠かせません。生成AIをはじめネットワーク経由のサービスが拡大する中、その便利さと同時にリスクも高まっていることを理解し、組織・個人ともに対策を打っておくべき時代だと締めくくっています。
参考
▶ 元動画を視聴する(小笠原家庭教会)

