阪神タイガース、38年ぶりの日本一に思う 

今年阪神タイガースが38年ぶりに日本一に輝いた。セ・リーグだけに限れば、2003年以来の実に、18年ぶり。ファンとしては、”間隔が空きすぎ””前回の優勝の感覚ないわ” と言いたくもなるが、でもやはり素直に嬉しかった。

力のこもった一年だったが、改めて振り返り、いくつかの勝因について触れたい思います。

目次

岡田監督の名采配に異論なし

どこかのスポーツ紙にも載っていたが、ほとんどの人が優勝要因の筆頭に挙げていたのは岡田監督の采配であった。その通りだと思う。多くの人が「野球は監督で決まる」と再認識したのではないだろうか。

ではどこが良かったのだろうか、挙げてみたい。

指導者として厚みのある「キャリア」

岡田監督は、選手としても名選手だったが、指導者としても着実にステップアップしており、充実したキャリアを送っている。

1996年~1997年、オリックス二軍助監督兼打撃コーチ。
1998年、阪神二軍助監督兼打撃コーチ。
1999年、阪神二軍監督兼打撃コーチ。
2000年~2002年、阪神二軍監督。1999年と2002年にはファーム日本選手権で優勝。
2003年、阪神一軍内野守備走塁コーチ。
2004年~2008年、阪神一軍監督。2005年セ・リーグ優勝。
2010年~2012年、オリックス一軍監督。

大前提として、選手・コーチ・監督としての実績。このゆるぎない基盤は新任監督としては、大きなアドバンテージ。

これだけのキャリアの中でも、ただ在任しているというわけでもなく、常勝軍団に仕立て上げ優勝争いを何度も経験してきたことから、今回監督として優勝する自信も相当あったのだろう。理由がある。

その証左にペナントレース始まりと終わりで、ほとんどスタメンが変わってなかったのは、最初から”優勝の絵”を見切っていたのだろう。ここは特筆すべきことだ。

解説者などで外から観ている時から、すでに「自分だったらこういう戦い方をする」と思案して来られたのだと思います。

守備位置の固定で選手の負担軽減と打撃集中

以前に比べて、まず大きく変えたのは守備の固定。選手たちにとって相当負担軽減と集中力のUPに繋がったと思う。

守備面で複数ポジションをこなすには色々とカバーしなければならないポイントがあるし、不安もつきまとう。なので守備面でのストレスが、どうしても打撃に影響が出てしまいがちだ。

そういう点が解消されすっきりした分、打撃に集中できるようになったのは、とても良かった点だと思う。

選手との信頼関係 選手のポテンシャル・伸びしろを掌握

全体を主管する立場にあるものとしては当たり前のことだが、本当にこれ大事です!どのスポーツでも、いやどんな組織でも、下の人間が上からどれだけ把握してもらっていて、信じてもらえているかで大きくパフォーマンスが変わってきますから。

経験に裏打ちされた助言は下の人間はそのままやるだけでスッと伸びていきますから、ほんとに貴重です。人生と同じで、素晴らしい”師”に出会えたら、その人はラッキーですね。

盤石な投手陣 防御率 ”2.66” は断トツのセ1位

選手層で言えば、この投手陣の厚みから今年の優勝予想にあげる解説者は多かったです。2位中日の3.08を大きく引き離しています。その中身について触れてみたいと思います。

ローテの3本柱が安定 新戦力の村上、大竹の台頭 信頼の伊藤

防御率1.75で10勝し、MVPに輝いた村上投手がまず挙げられるでしょう。制球力と奪三振力で断トツだった。日本シリーズ第1戦登板勝利、もう首脳陣の信頼の証でしょう。

しかし大竹投手も規定回数まで届かなかったが、村上を凌ぐスタッツ勝利数12、特に与四球率は0.82を叩き出した。凄い数字。言ってしまえば、ソフトバンクの層の厚さにも驚いてしまう。

伊藤投手は今年も安定して、期待に応えてくれました。才木投手、西勇輝投手もローテで活躍してくれました。

堅実な中継ぎリリーフ陣 抑えのエース岩崎投手

35セーブでタイトルを獲り、MVPの呼び声もあった岩崎投手の活躍は、優勝の大きな要因でした。変則的なフォームから伸びてくるストレート、スライダーは判っていてもなかなか打てないみたいです。

豊富な中継ぎ陣は、勝利の方程式を確立させました。石井投手、岩貞投手、加治屋投手、桐敷投手、島本投手など任せられたところでしっかり繋いでくださいました。

個人的には、左の枚数が増えたことは、アクセントとして今後も明るいかなと思います。

粘り強く期待にこたえてくれた攻撃陣

MVPの記者投票では、票が割れた。村上693点、近本499点、大山490点、岩崎417点。

野手攻撃陣では、近本、大山が牽引した感があった。近本は盗塁王、足の速さもさることながら、勝負強さが際立った。下位で溜まったランナーをことごとく還していた感があったのは私だけだろうか?

岡田監督がMVPとして挙げたのは、2番の中野だった。フル出場のうえ、盗塁王をランナーにおいての打席の難しさを監督が説いていたのは印象深かった。最多安打のタイトルも手に入れた。

3番森下選手。鳴り物入りのルーキーがここまでいいところで活躍すると、球場の盛り上がりが半端ない。ムードメーカーとして、シリーズでも大活躍。数字以上に印象に残る選手でした。

4番大山選手。一年通して、4番の働きをしてくれたと思います。軸に育ったという意味では、クリーンアップが例年になく、機能してたと思います。

5番佐藤選手。本塁打、打点チーム2冠は立派です。だが、欲を言えばもうちょっと出来たのではと、つい辛口になってしまう。期待値が大きいだけに。来年は最低40本塁打期待しています。

6番ノイジー。そつのない好捕からの好返球捕殺はどれだけチームを助けたか知れない。だがなんといってもシリーズ第7戦の決勝スリーランホームランだろう。正直あの決勝ホームラン1本で助っ人として物足りないとか、モヤモヤしてたこと吹っ飛んだ。来年は前川あたりと併用かもしれないが、またメジャー魂みせて頑張ってほしい。

7番坂本捕手。梅野捕手、けが離脱してしまった時は、暗雲立ち込めたがレギュラークラスの捕手がいてくれて助かった。控えの充実、厚さは優勝チームの必須条件だな。ドラフトで若手捕手欲しかったな。

8番木浪選手。恐怖の8番バッター。今年は仕事師だったな。ベストナインおめでとう。バットを寝かせてミート中心に変えたのが良かったのかな。攻守の貢献お見事でした。

まとめ

総じて、岡田監督の再就任によるところが大きかったでしょう。自他ともにみとめているのでは。1年の戦い方を熟知してるし、勝負勘、絶妙な起用法、また審判まで忖度させることもあったな。そのクールさ。すべてを持ち合わせているように見える。

当面は、助っ人野手とか高齢FA選手とかいらないですから、大山佐藤に続く、若手の大砲を育ててほしいと思います。そして、現レギュラー選手を脅かす、新戦力を発掘育成していただければ嬉しいです。

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